シンガポール政府による外国人労働許可の規制強化【シンガポール:政治・政策】
シンガポール政府による外国人労働者政策の規制強化により、
食品、小売、賃貸などの業界は影響を受けると見られています。
各分野で外国人労働者依存率の上限はこれまでの40%から
35%に引き下げられます。
シンガポールの入国管理政策に対する厳格な姿勢を踏まえて、
2019年予算計画ではサービス部門における外国人労働者クォータの
引き締めと、依存率上限(DRC)およびS-Pass(中技能外国人向けの
就労許可証)の削減が発表されました。
2021年以降、DRCとS-Passはそれぞれ40%と15%から、
35%および10%になります。
金融・証券アナリストたちは、シンガポール政府がより堅固な
外国人労働者政策を導入する背景にはGDP成長率が緩やかに
なっていることが挙げられます。
2008年~2009年までのグローバル金融危機前の積極的な
移民政策では低スキル労働者も受け入れていましたが、
今後は非常に困難になる見通しです。
S-Passおよび労働許可証保有者は過去3年間で年間3%
上昇していますが、全労働力需要の年間成長率は
+0.6%です。
S-Pass保有者は月額最低2,300Sドルの給与を得ていますが、
非管理職向けのサービス部門全体の基本賃金中央値は
2,000~4,000Sドルです。
シンガポール政府は各企業がより厳しい政策に
対応できるよう支援するために、エンタープライズ開発助成金
(EDG:Enterprise Development Grant)と生産ソリューション
助成金(PSG:Production Solutions Grant)を延長します。
また、海洋造船所とプロセス部門の外国人労働者賦課金
増加を延期しました。
シンガポールの外国人人口は、2007年~2016年の10年間で
年率+7%近くで成長した後、過去2年間(2017~2018年)
では減少傾向にあります。
結果、シンガポール国内全体の人口増加率は、2013年~
2018年の間に年率+0.9%に減速しました。
2008年~2013年の間には年率+2.2%で増加していました。
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