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タイの大手財閥の種類と特徴

一般的に知られているタイの財閥、そして著名な富豪その特徴や規模などを解説していく。

<1> タイの食品財閥最大手 CPグループ
チャロンポカパーン・グループ
チャロンポカパーンフーズ(CPF)は農業分野の旗艦企業。
2012年度売上 3789億バーツ(120億ドル以上)。
同グループは謝家(チエンワノン家)が基礎を作った
コングロマリット複合企業で家畜用飼料の製造業者として設立。
多角化を進め、エビの養殖・販売や鶏肉の生産・ 加工・販売なども
取り扱いを始める。
タイ国内における最大の食品企業。
農業分野以外に食料品の分野を中核事業として、
通信分野“TRUE Group”、不動産分野”CP Land”コンビニ分野”CPALL”
などに進出し、全部で8つの分野で事業を展開している。
国際的には、ASEAN各国や中国などを中心に世界13カ国に進出している。

「タイの食品関連企業のニュースはコチラ」

<2> タイのツナ缶財閥大手タイ・ユニオン・フローズンプロダクツ(TUF)
タイを拠点に欧米アジアに工場を持ち、2012年の売上高は
1077億4800万バーツ(30億ドル) 。
代表者はティラポン・チャンシリー氏。
創業者は華人出身のグライソーン・チャンシリー氏で、1977年創業。
小さなエビ生産工場から始まり、欧米企業向けのM&Aを繰り返すことで急成長を果たす。
アジア通貨危機の1997年には破綻した米大手を37億円で、
リーマン・ショック後の2010年には仏最大手を860億円で傘下に収めた。

<3> タイのビール財閥大手 TCCグループ
タイの富豪、ジャルーン・シリワタナパクディー氏が率いるコングロマリット。
1944年、バンコクの中華街生まれの中国系タイ人で、中国名は「蘇旭明」。
酒造業に参入して、蒸留酒、ビール、不動産、金融、
消費財などを手がける巨大財閥を一代で築いた。
傘下企業はタイのアルコール飲料最大手、タイビバレッジ(THBVE)、
シンガポール上場企業、不動産大手TCCランド(未上場)、
消費財大手ベーリユッカー(BJC)、
タイ上場企業、コーラ生産・流通サームスック(SSC)、
タイ上場企業、緑茶・日本食チェーン大手オイシ(OISH)など大手企業を傘下に収めている。

<4> タイの栄養飲料財閥大手 チャリアオ・ユーウィッタヤー
(2012年死去)
同ファミリーは総資産50億ドルとも言われる。
1978年に設立されたTCファーマシューティカル・インダストリーにより、
「Krating Daeng」タイ語で、「赤いガウル」の名前でタイで開発された。
1984年にオーストリア人のディートリッヒ・マテシッツが国際販売権を獲得。
Red Bull「レッドブル」の名称で販売開始。
レッドブルエナジードリンクはヨーロッパ地域は元より、北アメリカ地域や、
オセアニア、アフリカ、そして、アジアにも進出した。
「レッドブル、翼を授ける。(Red Bull Gives You Wings)」のコピーが使われている。
レッドブルは日本を含め、世界160か国以上で販売されている。
世界で初めてのエナジードリンクとして売上・シェアともに第1位。

<5> タイのビール財閥大手 シンハーグループ。
タイで最も古いビール会社であるブンロート・ブルワリー株式会社は、
1933年に. ピャ・ビロムシャクディによって設立。
シンハー・コーポレーション社はその子会社となる。
ブランド名「シンハー」「レオ」「B-ing」などの飲料を展開。
3カ所のビール醸造工場、6カ所の飲料水工場を保有。
売上高は2012年、1030億バーツ(3500億円規模)。

<6> タイの製糖財閥大手 ミトポン・グループ
ミトポンシュガー社はタイの最大手の製糖事業者で、世界第5位の製糖事業会社。
会長はIsara Vongkusolkit イサラー・ウォンクソキット氏。
サトウキビ生産、製糖事業で53年の歴史があり、マーケットリーダー。
5つのコア事業があり、製糖事業、合板・パーティクル事業、
バイオエナジー事業、エタノール生産事業、倉庫物流事業を展開。
中国とラオスにも支店を持つ。

<7> タイの消費財財閥大手 サハ・グループ
1942年に創業者のティアム・チョクワタナー(Thiam Chokwatana)が
立ち上げた消費企業グループ。
現在はタイ国内を中心に300以上の関連会社を抱える。
持株会社であるSAHA PATHANA INTER-HOLDING(SPI)
消費財を扱うSAHA PATHANAPIBUL(SPC)となっている。
2012年度SPCの売上は257億バーツ(750億円)。
タイ国内において日本企業との合弁を積極的に進めていて、
主な合弁相手としてはワコール、イトキン、ライオン、資生堂、
ツルハ、ダイソー、早稲田大学、文化服飾学園など、
消費財、ファッションや化粧品・ドラッグストア関連企業が多い。

「タイの消費材セクターのニュースはコチラ」

<8> タイの金融大手 バンコク銀行・グループ バンコク銀行(BBL)
同行はタイ国内大手銀行で資本金規模で第1位の銀行。
日本にも東京新橋、大阪にも支店を持つ。
オーナーのソーポンパニット(陳)財閥はタイの大手商工業の
分野で広範囲な企業の株式を保有している金融財閥で、
同行の総資産額は2兆4188億バーツ(およそ7兆円)。
フルバンキングサービスを提供していて、投資、保険、預貯金すべてを取り扱っており、
インターネットバンキングサービスも導入している。

<9> タイの金融大手 カシコーン銀行・グループ(KBANK)
タイ国で資本金の規模で第3位の銀行。
最近では日系企業・日本の地方銀行との取引も積極的に開始している。
タイのラムサム財閥が経営をする商業銀行。
1945年に設立。
総資産額で2012年末2兆700億バーツ。
2003年まではタイ農民銀行の名前で知られていた。
カシコーンバンク (K Bank)
カシコーンリサーチセンター(K Research)
カシコーンファクタリング (K Factoring)
カシコーンアセットマネジメント(K Asset)
カシコーンセキュリティーズ (K Securities)
カシコーンリーシング (K Leasing) などの総合金融サービスを提供。

<10> タイの金融大手 アユタヤ銀行・グループ
2012年末の資産規模は1兆719億バーツで3兆円規模。
同銀行を管理しているのはラタナラック(李)財閥で、テレビ局大手
チャンネル7を経営しているBangkok Broadcasting and Television(BBTV)を1967年に設立。
CH7は プライムタイムで45%と言う圧倒的なシェア放送局、
タイソープドラマ系ではかなりの強さを誇る。
総帥はクリット・ラタナラック氏。
父親のチュアン氏が創業したアユタヤ銀行(BAY)、
サイアム・シティ・セメント(SCCC)の株式を大量に保有。
ラタナック財閥はイースタンプロパティ、メディアオブメディアス、
トンソンプロパティなどにも出資している。

<11> タイの自動車部品メーカー サーミット・グループ
タイ最大の自動車部品メーカーサーミット・グループは1977年、
バンコク都内で 4輪・2輪車向けや家具向けシートの修理、生産を始めたのが起こり。
創業者のサンサーン・ジュランクン社長はこれまでに
サミット・オート・ボディ(SAB)、サミット・オートシート(SAS)など
グループ会社30余社からなるサミット・オートインダストリーズグループを一代で築きあげた。
自動車部品製造で売上比率は 自動車関連が65%、バイク関連が30%、
家電関連が5%。全従業員数15,000人を誇る。
売上規模はグループ全体で700億バーツ(2,100億円規模)。

<12> タイの鉄鋼大手 サハヴィリヤ・グループ
タイの熱延生産最大手企業である。
同社を経営するのはウィット・ヴィリヤプラパイキットCEO。
1990年に、サハビリア・グループとイタリア系企業(IRI)とが
熱延鋼板(Hot Roll Coil)の製鋼工場を建設するために誕生。
その後はIRIが撤退し、現在はサハヴィリヤ・グループが
主要株主となっている。
タイ証券取引所には1994年上場。
2012年度の売上は過去最高619億バーツ(2000億円規模)。

<13> タイのゼネコン大手 イタリアンタイ・グループ
イタリアンタイ・デベロップメント社(ITD)は、
タイのゼネコン最大手でスワンナプーム空港建設事業を大林組、
竹中工務店などと共同JVをしたり、高架鉄道BTSの建設を受注するなど、
タイにおける国内インフラ事業を担う企業。
海外事業売上比率が40%以上でインド・バンガロール市の鉄道建設、
デリーメトロの駅舎建設事業、コルカタ空港旅客ターミナルビル建設など幅広い。

<14> タイのゼネコン大手 チョーガンチャーン・グループ
インフラ基盤である道路、大規模な橋、高速道路、高架鉄道などを建設する。
熊谷組、東急建設などとのJV事業(ジョイントベンチャー事業)も手掛け、
バンコク高速道路(BECL) 高速道路運営事業
バンコクメトロ(BMCL) 地下鉄運営事業
タイ・タップウォーター(TTW) 上水処理事業などを子会社に持つ。
2012年度の売上は223億バーツ。

<15> タイの工業団地大手 アマタ・コーポレーショングループ
創業者はVikrom Kromadit氏。
工業団地内のインフラを整え、海外/国内の製造業を誘致し不動産を販売、
レンタルをおこなうアマタ・コーポレーション(AMATA)は、
タイとベトナムで工業団地プロジェクトを展開し日系企業も多く入居している。
チョンブリ県にアマタナコン工業団地、ラヨーン県にアマタナコーン工業団地、
ベトナムにアマタシティビエンホア工業団地を有している。
2012年度の売上は過去最高61億バーツ。

<16> タイの高級不動産大手 ランド&ハウス・グループ
ランドアンドハウス(LH)はタイ国内で高級住宅開発、販売を手掛ける不動産開発企業。
タイの不動産アサワボーキン財閥がオーナーの企業。
一戸建て、高級コンドミニアムなどをデザイン性、高級家具類、
高付加価値のある信用度の高いブランドとして販売。
2012年度の売上は267億バーツ。
ランドアンドハウスグループに属する企業は
住宅金融ローンに強いランドアンドハウスリテール銀(LHBANK)
ホームセンターのホームプロ(HMPRO)
高級住宅・オフィスビル開発のクオリティハウス(QH)
建材企業のクオリティコンストラクション(Q-CON)など。

<17> タイ国内商業不動産開発1位 セントラル・グループ
セントラルパタナー(CPN)は商業施設の開発、大型不動産開発企業。
セントラルグループのショッピングセンター(SC)開発・運営を担う。
CPNの中核事業は、多目的の複合体不動産に投資、開発がメイン。
CPNの最初の郊外建設大型プロジェクトはセントラルプラザ・ラプラオ店
で、タイでの総合不動産開発のモデルの先駆け
(大型ショッピングモールの形成)となる。
セントラルグループには流通大手として有名で、Central Retail
(小売、流通)を筆頭に
Central Pattana(不動産開発)
Central Plaza Hotel(ホテル・外食産業)
Central Food Retail(Topps スーパーマーケット運営)
Robinson ROBINS(百貨店運営)
Power Buy(家電量販店)
などを経営しており、幅広い事業展開をしている。

<18> タイの医療大手 バンコク病院・グループ
バンコクドゥシットメディカルサービス(BGH) は、
バンコクに住む日本人が多く利用している高級私立病院である。
タイに治療目的、療養目的、医療検査などで訪れる外国人の数は180万人を突破。
バンコク総合病院をバンコク市内に持ち、大型病院施設並びに治療施設を持つ。
同病院では積極的にM&Aを進めており、サミティウェート病院、BNH病院など
タイ国内病院の買収を続けて大手病院グループへ成長した。
代表のプラサート プラサトーング=オーソット氏は
バンコクエアウェイズ(BA)の筆頭株主でもある。

<19> タイのテレビ局大手 チャンネル3 BECワールド・グループ
テレビ局である「チャンネル3」やラジオ局では「バンコクFM」を運営。
テレビ番組の視聴率は業界2位。
ソープドラマや韓流ドラマを得意としている。
BEC TERO社を中心とするイベント興業ビジネス、チケット事業、
芸能/音楽の配信事業なども展開している。
2012年度の売上は151億バーツ。
代表者はVichai Maleenont氏で付近のビルも所有している。

<20> タイの通信大手 サマート・コーポレーション・グループ
サマート創業者のVilailuck財閥が経営する通信財閥。
代表取締役のWatchai Vilailuk氏。
コア事業である通信事業として2社をタイ証券取引所へ上場させ、
携帯機器販売・通信事業 サマートアイモバイル(SIM)、
通信インフラ・構築事業 サマートテレコム(SAMTEL)などを展開する。
海外展開事業ではカンボジア、ラオスに進出済みである。

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