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タイ 洪水被害対策

社名は出せないが、バンコク近郊の某クライアントの会社では毎年大小の
洪水を経験しているために、土嚢の手配、防水壁の準備を入念におこない、
大型機械の周りにもコンクリートを固めて2重、3重の洪水対策をしている。

しかしながらアユタヤ県、パトゥムタニ県の工業団地に入居していた日系企業郡
では、今回の洪水は一気に水が押し寄せたために、準備が間に合わなかった企業も多い。
今回の被害予測の情報が上手く伝わらなかった会社も多いことが背景にある。

すでに、代替オフィスを確保してサプライチェーンの再構築に奔走する企業もあれば
洪水被害の状況をまず調査する企業まで、動き方は様々です。

特に2011年10月時点では工場に入れず、正確な被害状況がつかめないという状況です。

各社バンコクに仮事務所を設けて、復旧と年間生産(売上)の大きな乱れへの対策
を検討しています。
組み立てロボットは恐らく使えない。部分的に使える部品もあるでしょうが、駆動・
制御系は誤動作をして2次災害(不良品を作る)恐れがあるため、入れ替え、作り替え、
他国からの移設の手配に入っています。

これ以上生産を遅らせないために、また被災していない企業からのリクエストで、金型
など生産財を洪水の中からクレーンとボートをつかって引き上げる作業をしている会社が
増えています。

被害は、設備や完成品に目が行きがちですが、生産ができないことからくる販売機会の
損出が大きいのが問題になっていて、他国の工場もキャパ一杯のところが多く、また
タイのみで生産していた、もしくは設備的にタイでしか生産できない機種を抱えている
ところは深刻です。
サプライチェーンの効率化で完成品在庫を極力もたないことが、今回ばかりは裏目に
出ています。

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