キラーパルスによる建物被害
今回の東日本大震災以前では 過去発生したことのある東北部の大地震
2004年10月23日 新潟県中越地震 (M6.8)
2005年8月16日 宮城県南部地震 (M7.2)
2007年7月16日 新潟県中越沖地震(M6.8)
2008年6月14日 岩手宮城内陸地震(M7.2)
2008年7月24日 岩手沿岸北部地震(M6.8)
などと比較して建物の震災による(津波によるではなく)被害は軽微であったと
しています。
2004年の新潟県中越地震では、全壊約3000棟、半壊約1万4000棟、一部損壊
約10万6000棟と多くの住宅が倒壊しましたが2008年岩手宮城内陸地震では、
全壊約20棟、半壊約70棟、建物一部損壊約1000棟と言う少なさでした。
その理由が、大学の地震に関する研究部署などから公表され、
「東日本大震災では、キラーパルスが少なかった」という見解が出されています。
キラーパルスとは、地震の揺れをブランコで例えると、揺れに合わせて背中を
押してやると揺れは大きくなります。
この時に揺れに合わせた揺れを「共振」と呼びます。
建物が元々持っている固有周期と同じ周期の揺れが起きると、建物は共振して大きく
揺れ壊れやすくなるのです。
住宅に多い木造ではこの周期が1~2秒ほどと言われ、この地震波をキラーパルスと
言います。
2004年の新潟県中越沖地震や1995年の阪神大震災では、このキラーパルスが出て多く
の住宅を壊し2008年岩手宮城内陸地震や今回の大震災では比較的少なかったので、
地震動での住宅倒壊は比較的少なかったのではないかという解釈です。
この記事へのコメントはありません。