中国物流大手の順豊控股(SFホールディング)はタイ事業を再編すると発表しています。
およそ70億バーツを投じて、宅配大手ケリー・エクスプレスを完全子会社とする計画です。

中国・アジア最大の総合物流企業であり、タイ国内大手の物流企業であるケリー・エクスプレスKerry Express (Thailand) (KEX)の大株主であるSF Express Groupは、増資計画への賛同を表明し、同社は比例割当増資を引き受ける意向を示しています。

この動きは信用を強化し、財務の安定性を強化することを目的としています。
増資で調達した資金は、借入金の返済、運転資金としての流動性強化、長期的な競争力強化のための投資に充てる計画です。

ケリー・エクスプレスKerry Express (Thailand) (KEX)の2023年業績は、売上115億4100万バーツ、純利益マイナス38億バーツでした。
同社の株主は、2023年12月時点で、
KLN Logistics (Thailand)：52.0%、VGI Public：15.4%、BTS GROUP Holding 5.7%、となっています。

順豊エクスプレス(SF Express)は、中国の物流民営企業です。
1993年に広東省順徳で上海生まれの香港人・王衛により創業されました。
同社は、電子商取引の拡大と共に貨物取扱量を伸ばし、中国国内では米系フェデックスやユナイテッド・パーセル・サービスなどの物流大手、国有企業の中国郵政傘下の中国郵政速逓物流以外で、最大級の物流エクスプレスの一つとなりました。
また、2021年には世界8位のフォワーダー、Kerry Logistics：嘉里物流聯網を買収して子会社化しました。
2024年6月