日本政府とのタイ高速鉄道開発は断念する方向【タイ:インフラ】
タイ政府は日本政府と検討してきたバンコク~チェンマイを
結ぶ高速鉄道計画を断念する方向であると報道されています。
バンコク~チェンマイ間、バンコク~スラタニー間、
ラヨーン~トラート間の3路線プロジェクトでは日本の
新幹線技術を導入し、全長約670㎞の高速鉄道を
建設運営する計画を検討してきましたが、日本側が
実施した事業化調査で採算性が極めて低いことが
判明しました。
9月下旬タイ運輸省が閣議に提出した交通インフラ
マスタープランにはこれらの高速鉄道計画は含まれておらず、
事実上の廃案になったとみられています。
バンコクからチェンマイまで670㎞に及ぶプロジェクトの
費用は約4,000億バーツと見積もられていました。
このプロジェクトは2つのフェーズに分かれており、
最初の380km、バンコクからピサヌロークまでのフェーズは
約2,760億バーツの費用がかかるとされていました。
タイ政府は、日本側がタイ公的債務を減らす共同投資を
望んでいましたが、日本政府側は投資する価値がないため
プロジェクトに距離を置いたとしています。
経済的内部収益率(EIRR)は14%と推定されていましたが、
財務的内部収益率(FIRR)は非常に低いとされています。
これは国際協力機構JICAによる実行可能性調査の結果に
基づいています。
当初の推定では1日あたり30,000人の利用者と
されていましたが、調査により1日あたり約10,000人の
見込みであると示されました。
運賃から利益を得るためには、利用者数は1日あたり
約50,000人が必要とされる結果となりました。
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