タイにおける生活習慣病への政策、砂糖税・トランス脂肪酸・塩分規制【タイ:医療・政策】
タイでは一人当たりの所得が上がり続けており、
外食チェーンや加工食品の種類も豊富になっています。
生活の質が向上することによって、病気も感染型から
非感染型が増加しています。
タイ政府は国民の生活習慣病対策政策を進めています。
2017~2036年までの20年間で生活習慣病の半減を
目指しており、食品や食材に含まれる塩、糖分、
脂肪の規制を進めています。
第一段階として糖分規制が実施されています。
政府は2016年にタイ王国物品税法を改正し、
2017年9月より砂糖税を導入しました。
甘味飲料に対する物品税は、飲料100ml当たり砂糖が
6g以下:0%、6~8g未満:0.1バーツ、
8~10g未満:0.3バーツ、10~14g未満:0.5バーツ、
14g以上:1バーツですが、2019年10月よりさらに増税される
予定です。
また、次の規制対象としてトランス脂肪酸を含む部分水素添加
油脂(PHOs)が挙がりました。
心臓や血管の疾患リスクを高めとされるトランス脂肪酸は
価格が安く、ファストフード、マーガリン、スナック菓子など
広範囲な食品に使われていました。
2017年7月に官報で公示され、2019年1月9日から部分水素添加
油脂を含む食品の生産・輸入・販売を禁止しています。
そして、2019年時点で協議されているのが塩分含有規制です。
WHOの推奨している塩分摂取量は1日あたり5グラム以下ですが、
タイ人は基準の2倍以上の塩分を摂取しているとされています。
塩分の摂取過多は腎臓障害を引き起こす可能性があり、
タイ人の腎臓病患者が増加しています。
このためタイ政府は国民健康政策として塩分規制のための
法律施行を検討しています。
素案によればスナック菓子や缶詰食品などを対象に、
塩分摂取量を初年度で10%程度、その後段階的に拡大し、
2025年頃を目途に30%程度少なくするとしています。
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