タイ食品最大手チャロンポカパン・フーズの2019年第2四半期業績【タイ:食品・農業】
タイの大型複合企業で農業と食品小売等を手掛ける
チャロンポカパン・フーズ(CPF)は、タイ王国労働保護法で
定められた退職金引当の増加により、2019年第2四半期の
純利益が前年比30%減少したと報告しました。
2019年第2四半期の売上は1338億9600万バーツ、
純利益は41億0400万バーツで前年同期59億バーツから
減少しました。
タイ王国労働保護法の一部改訂で2019年5月5日から
発効したこの法律は、雇用主は20年以上連続して働いた
従業員の退職金率を300日から400日に引き上げることを
義務付けています。
これにより同社は第2四半期に18億バーツの追加費用を
認識と計上を行ったとしています。
2019年上半期では売上2696億200万バーツ、
純利益は前年比6%減の83億8300万バーツでした。
現地通貨バーツでの売上高は前年比5~6%
増加しましたが、同社売上の67%は海外からのもの
であるため、他の通貨に対するバーツ高の影響を
受けたとしています。
労働者保護法改正は2019年4月官報に掲載されました。
民間企業各社は自社の就業規則などがこれらの改正内容に
合致しているか否かの確認が必要となります。
(改正された点に関して)
会社の合併に伴う雇用主の変更(雇用関係の承継)について、
従業員の同意が必要となる(13条)。
用事休暇の取得(34条):従業員は必要な個人的用事のため
有給休暇を年間3日以上取得することが可能となる。
産休に関する改正(41条):
従業員が取得可能な産休が98日(うち有給45日)となる。
改正前は産休が90日、そのうち有給が45日だった。
産前検診についても産休を利用することが可能となる。
解雇補償金の改定(118条):
20年以上勤務した従業員に対して最終賃金の400日分に
相当する解雇補償金を付与する。
改正前は300日分が最大であった。
事業所移転時の特別解雇補償金に関する改正(120条):
雇用主が事業所を移転する際、変更の30日前までに
従業員に通知・公表することが必要となる。
従業員は事業所移転が本人や家族生活に重大な影響を
与えると考える場合、通知から30日以内に雇用主に申し出る
ことで退職が可能となる。
その場合、雇用主は当該従業員への解雇補償金の支払いが
必要となる。
雇用主が事前通知を行わない場合、通知期間分に相当する
給与の支給が必要となる。
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