タイのネーション・マルチメディア・グループは上場廃止の可能性【タイ:メディアサービス】
タイ国内で英字紙新聞Nationを発行していた
ネーション・マルチメディア・グループ(NMG)社は、
タイ国内でおよそ50年続いた紙面の発行を2019年6月末で
停止すると発表しました。
これまで同社はライバルのバンコク・ポストとともに
タイ国内2大英字紙として歴史を持つ老舗新聞メディア
企業でした。
タイ経済紙「クルンテープトゥラキット」、
一般紙「コムチャットルク」などを発行し、
2014年にはデジタルテレビ放送に進出しました。
しかしインターネットの普及により紙媒体の売上が大きく
落ち込んでしまい、経営悪化によりデジタル発信に
専念することになりました。
同社の2017年業績は売上18億9000万バーツ、
純利益-21億5600万バーツと巨額の赤字を出していました。
Nationは1971年の創刊で発行部数は6万部とされていました。
長らくタイ国内駐在員やタイ文字が読めない外国人の
情報源として展開していましたが赤字体質を脱却できず、
2018年タイ証券取引所に上場するニュース・ネットワーク・
コーポレーション(NEWS)に買収されました。
NEWS Network Corporation(NEWS)社の2018年業績は
売上8億5600万バーツ、純利益-2億7000万バーツでした。
同社はDigital TV Channel 19、Spring Newsを
運営しています。
その後、ネーション・マルチメディア・グループ(NMG)社は
過去の粉飾決算の疑いが浮上しタイ証券取引所上場廃止の
可能性が高まっています。
2019年8月時点の大株主はNews Network Corporation社(NEWS)
9.96%、CGS-CIMB Securities(Singapore)社9.64%、
U City(U)社9.10%となっています。
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