ツナ缶製造世界最大手、タイ・ユニオン・グループの2018年決算【タイ:食品・水産加工】
ツナ缶製造で世界最大手のタイ・ユニオン・グループ
(TU)では、2018年通年の売上が1332億バーツ、
純利益は39億6900万バーツ(前年比36.75%減)と
発表しました。
ツナ缶ブランド「チキン・オブ・ザ・シー」を展開する
米国子会社が価格談合訴訟の和解に向けて引当金を
準備したことで大幅な減益となりました。
米国では2015~16年にかけて、ウォルマートをはじめと
する複数小売業者等が「ツナ缶大手が価格カルテルを
結んでいる」として訴訟を起こしました。
タイ・ユニオン・グループ(TU)はこれらの訴訟で交渉を
続けていて、引当金を計上しています。
タイ・ユニオン・グループは世界中にエビ・ツナ缶・
魚介類加工工場を持ち、欧米やアジア各国向けに輸出を行う
企業です。
代表者はティラポン・チャンシリー氏、創業者は華人出身の
グライソーン・チャンシリー氏です。
創業は1977年で小さなエビ生産工場から始まり、
欧米企業のM&Aを繰り返すことで急成長を果たしました。
同社は1997年以降積極的なM&A戦略を採用しています。
1997年:米国3位ツナ缶ブランドのチキン・オブ・ザ・
シーを買収
2010年:フランス水産大手MW Brands(現Thai Union Europe)
を6億8000万ユーロで買収
2014年:フランスのMerAllianceを買収(取得金額は非公表)
2014年:ノルウェー、米国、オーストラリアの水産加工、
King Oscar AS of Norwayを買収
2016年:ドイツのシーフード会社、RügenFisch AG を買収
2016年:世界最大のシーフードレストラン会社、Red Lobster
に5億7500万米ドルの投資
同社は2020年までにグループ売上を現状のおよそ2倍の
2700億バーツに押し上げる目標を掲げています。
この記事へのコメントはありません。