2015年度のタイの経済5大ニュースに関して


By: moggs oceanlane – CC BY 2.0
15年度もタイでは世界的な大きな事件が発生してしまいました。
個人的な感想も含めた上位5位のニュースです。
1位 バンコクの中心部エラワン廟にて爆弾が爆発。
(15年8月)
タイの首都バンコクでは中心部にある繁華街のラチャプラソン地区
エラワン廟で大規模な爆発が発生。
爆発による死者は20名。
負傷者は123名で、多くが外国人観光客となっています。
タイ警察は、使用されたのはTNT爆薬の可能性が高いと発表しました。
事件は防犯カメラに黄色シャツの男性の画像が残っていて、
足取りまでは掴めたものの、その後の行方、国籍、
犯行グループの概要までつかめていないとしています。
※警察庁長官は犯人グループは10人以上のよく組織されたグループ
※赤Tシャツと白シャツの男2人は事件とは無関係
※懸賞金を3倍に引き上げ、外国の捜査機関への協力依頼などを発表。
警察側での捜査は難航しています。
火曜日以降も警察官などの人員を大量に配備してシーロム通りを
捜索していましたが、残念ながら犯人逮捕までに至っていない
ようです(8月22日時点)。
事件発生時はアソークにて夕食をとっておりましたが、
よく訪れる地域でもあることから第一報を聞いた際には驚きました。
2位 タイの軍事政権の民政移管は1年以上遅延する見通し
(15年9月)
タイ軍事政権下で政治改革を進める国家改革評議会(NRC)では
反対多数によって憲法草案を否決したことを発表しています。
これによって憲法起草委員会を新たに作り直しとなり、
当初の2016年度の民政移管が大幅に遅れる見通しとなりました。
当初は国民投票→憲法改正→国民の総選挙→新政権が発表の予定でしたが、
2017年以降の民政移管になる見通しです。
今回の憲法の草案は2014年5月のクーデターで憲法が廃止されたのに
伴い、憲法起草委員会がまとめたもので反タクシン色が強く、
反タクシン派・軍部に有利な憲法、選挙制度になる予想でしたが、
一部の国民、政治家からの反発も強く否決の票に急遽投じた政治家が
多かったと分析されています。
一方で、インフラプロジェクトや新たな経済刺激政策も発表されており、
政治的大規模デモ活動や政治対立が少ない状況の中、経済発展を
期待する声も出ています。
3位 タイの地方活性化政策・スーパークラスター制度に関して
(15年11月)
タイ政府の推し進めるスーパークラスター優遇策に関し、
さらに10の事業クラスターへインセンティブを与える予定です。
また特別目的のファンドから金融サービスでのサポートを推し進めます。
タイ工業省大臣のAtchaka Sibunruang氏はタイの財務省へ向けて
効果的な予算執行を進めていくことを提案しています。
特に中小企業で事業規模が小さいところでは、
金融サポートを受けることでタイ政府のクラスター制度プロジェクトが
進むと見ています。
タイ投資委員会では今後さらなるBOI投資の恩典に加えて
投資するにあたり投資家への同じような恩典を検討しています。
またR&D調査・開発部門への恩典なども加えていきます。
法人税は最大で13年間、当初の8年間+その後5年間を加えて減免の
恩典を与えられます。
2015年10月にタイ政府からスーパークラスター制度が発表され、
自動車・自動車部品、石油化学、IT機器・通信機器、デジタル分野
食品加工、ファッション・衣料などが該当しています。
4位 タイと日本、覚書締結へ 新幹線導入の調査開始
(15年5月)
タイの高速鉄道計画で日本の新幹線方式を導入するかどうかの
調査開始を盛り込んだ覚書MOUをタイ政府、日本政府で締結する
ことを発表しています。
事前調査するのは首都バンコクと北部チェンマイ市約700Kmと
なります。
高速鉄道事業計画、バンコク~パタヤ、バンコク~ホアヒン、
バンコク~コンケン、バンコク~チェンマイなどは日本、
中国それぞれ分担して開発を進めます。
タイのメガ・プロジェクトのメインキーは大量輸送機関・
物流輸送の強化となっています。
また、景気の刺激策として400億バーツを追加予算として
第4四半期に投入します。
5位 タイ国内におけるソーシャルネットワークサービス
(15年度8月ニュース)
2015年8月時点でタイ国内におけるソーシャルネットワークサービス、
LINE、FACEBOOKなどのオンライン広告市場は80億バーツ規模を
見込んでいます。
3300万人のLINEユーザーがタイ国内にいて、世界で2番目にLINE
ユーザーが多い国になっています。
eMarketer社によるとスマートフォン市場ユーザーは2018年までに
2700万人を越えていくと見ていて、利用率は71%になる見通しです。
スマートフォン利用者数では世界で19番目に多い国であり、
オーストラリア、ベトナムを越えています。
Zocialinc.com社の分析によればFacebookユーザーは3500万人と
世界で9番目に多い国となっています。
Youtubeのタイ国内利用者数は330万人(2014年度末)となり、
同国のネットユーザーの利用時間は平均で週8.3時間と
されています。
今後ECコマースなどの普及もさらに進む見通しで
中国の電子商取引EC最大手アリババ・ドット・コムでは
タイの地場ウェブサイト制作大手のレディプラネット社と提携した
ことを2015年5月に発表しています。
タイ国内インターネット広告マーケットでの各ソーシャルの比率は
Facebook広告が全体の16%、ネット動画広告が15.6%、
LINE広告が4.5%となっています。
この記事へのコメントはありません。