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タイ国営クルンタイバンクは、貸出・融資額を下方修正する方向へ

タイの国営銀行、資産規模2位のクルンタイ銀行Krungthai Bank
(KTB)では、貸出成長目標を引き下げる可能性を示唆しました。
世帯債務の増加と景気低迷でホワイトカラーの顧客の消費意欲が
低迷していることを挙げています。

KTB銀行の資産は第1四半期では業界平均よりも悪い方向へ
進んでいるとしています。
2015年度第1四半期では不良債権の率は3.5%となり、
2014年度末時点の2.9%から上昇していると発表しました。
不良債権の主な発生源は中小企業へ向けた融資、
小売業融資などとなり、現在の消費マインド低迷における影響を
まともに受けた業界であるとしています。

KTB銀行の2014年度の業績で総資産は2兆7393億バーツで
純利益では331億バーツでした。

同行の第一上級副社長であるTanyapong Thamavaranu-kupt氏は
各銀行はいち早く融資基準を厳しくしてきていて、不良債権率の
引き下げを進めているとしています。
同氏は銀行として、まだ景気動向を見守る段階であるとしていて
融資目標額は維持するとしています。

2015年年初KTBでの融資額目標は前年比10%増としていました。
同行はフルバンキングサービスをタイ国内で展開していて、
1196店舗の支店、9つの海外店舗を展開しています。
中国・昆明、アメリカ・ロサンジェルス、インド・ムンバイ、
シンガポール、カンボジア・プノンペン、シェムリアップ、
ラオス・ビエンチャン、ミャンマー・ヤンゴン、ケイマン諸島
になります。

同行の資本は財務省が出資していて、FIDF
(Financial Institutions Development Fund)
が株主となっています。
1985年にタイの金融機関救済基金FIDFが設立され、
同基金は1997年のアジア通貨危機で経営破たんした
負債を一手に引き受けました。
主に出資している金融機関では
クルンタイ銀行(KTB)
サイアムシティ銀行(SCIB)→タナチャート銀行(TCAP)
バンクタイ(BT)→CIMBタイ銀行(CIMBT)などへ
出資していました。
その後、SCIBやBTは外資系銀行やタイの同業商業銀行へ
売却しています。

今後の負債の処理の方向は
クルンタイ銀行(KTB) 55.3%
バンコクコマーシャルアセットマネジメント(BCAM)
100%などに出資しています。
資産と負債処理を進めるために投資信託を創設し、
利益で負債を圧縮していきたいとしています。

2003年に創設したバユパックファンド(VAYU1)では、
財務省が設立し一般投資家から資金を集め、
優良国営企業のみに投資して700億バーツからの資産は
2000億バーツまで伸ばしています。

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